最近の研究内容:末松 大二郎

標準模型を越える素粒子模型の構築は現在の素粒子物理学の大きな夢の 一つです。私は素粒子の標準模型を越える理論的可能性を、標準模型が 内包する様々な問題点を併せ考えることにより見いだそうと試みています。 最近の中心的研究内容は大きく2つに分けることができます。一つは、 超弦理論や超重力理論の低エネルギー有効理論として標準模型を 定式化しようという試みであり、標準模型の中では答えられない多くの 課題をこのような枠組みの中で統一的に解決する可能性について検討すること、 さらにそのような模型における現象論的特性を検討することを大きな柱として 位置づけ研究を進めています。 もう一つは標準模型を構成するフェルミ粒子の中で唯一その質量が不明のまま 残されているニュートリノの研究で、標準模型を越える模型を考える上で大きな 手がかりを与えてくれる可能性を持つと期待されます。 太陽ニュートリノや大気ニュートリノなどのニュートリノ観測から明らかに なって来た矛盾をニュートリノの性質から説明できるという立場から、 ニュートリノに隠された謎を探り、標準模型を越える模型の可能性を探ろうと 試みています。ニュートリノ質量に深く関わる宇宙の暗黒物質や インフレーション、バリオン数生成など宇宙論的問題も視野に入れ研究を行って います。

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